症状 / 上半身
鼻水・痰がらみ

▶鼻水・痰がらみについて
鼻水や痰は、体からの大切なサインです。鼻水は鼻の粘膜から出る液体で、鼻や喉に侵入しようとするウイルスや細菌、アレルゲンなどを洗い流したり、粘膜を潤したりする役割があります。一方、痰は気管や気管支から出る分泌物で、埃や細菌、ウイルスの死骸などを絡め取って体外へ排出しようとする防御反応です。
これらの症状は、風邪やアレルギーなど、さまざまな原因で現れます。多くの場合、一時的なものですが、長引いたり、色や量に変化があったりする場合は、病気が隠れている可能性もあります。当クリニックでは、鼻水や痰がらみの原因を正確に診断し、それぞれの症状に合わせた適切な治療を行っています。不快な症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
▶鼻水・痰がらみの原因
鼻水や痰がらみの原因は多岐にわたります。主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
感染症 |
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【ウイルス感染】 風邪(普通感冒)、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など。透明な鼻水や白い痰が一般的ですが、細菌の二次感染で色が変わることもあります。 |
【細菌感染】 副鼻腔炎(蓄膿症)、気管支炎、肺炎など。黄緑色の粘り気のある鼻水や痰が出やすいのが特徴です。 |
アレルギー |
【アレルギー性鼻炎・花粉症】 鼻の粘膜が花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲンに反応し、透明で水のような鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が現れます。アレルギーが原因で痰がからむこともあります。 |
【気管支喘息】 気道がアレルギーなどにより慢性的に炎症を起こし、痰がからむ咳や息苦しさが見られます。 |
物理的・化学的刺激 |
【乾燥】 空気が乾燥していると、鼻や喉の粘膜が乾燥し、鼻水や痰が出やすくなることがあります。 |
【喫煙】 喫煙は気道に慢性的な炎症を引き起こし、痰の量が増える原因となります。 |
【ハウスダスト、PM2.5、化学物質】 これらの刺激物が原因で、鼻水や痰の症状が誘発されることがあります。 |
その他の原因 |
【血管運動性鼻炎】 温度変化やストレスなどが原因で鼻水が出ることがあります。アレルギーとは異なります。 |
【副鼻腔炎(蓄膿症)】 鼻の奥にある副鼻腔という空洞に炎症が起こり、粘り気のある鼻水がのどに流れ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」により、痰がらみや咳が生じることがあります。 |
【逆流性食道炎】 胃酸が食道に逆流し、のどを刺激して痰がらみや咳を引き起こすことがあります。 |
▶検査と治療
鼻水や痰がらみの治療は、その原因によって異なります。
検査
症状や診察所見から、必要に応じて以下の検査を行います。
- 視診・触診: 鼻や喉の状態、リンパ節の腫れなどを確認します。
- 迅速検査: インフルエンザ、新型コロナウイルス、溶連菌感染症などの迅速検査を必要に応じて行います。
- 血液検査: 炎症の程度や、アレルギーの有無などを調べます。
- レントゲン検査: 副鼻腔炎や肺炎、気管支炎の有無、その他の肺の異常を確認します。
- 呼吸機能検査: 喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎が疑われる場合に、肺の機能を詳しく調べます。
治療
検査結果に基づき、患者さまの状態に合わせた治療を行います。
【薬物療法】
- 抗ヒスタミン薬: アレルギー性鼻炎による鼻水を抑えます。
- 去痰剤: 痰を出しやすくします。
- 抗生物質: 細菌感染が原因の場合に処方します(ウイルスには効果がありません)。
- ステロイド点鼻薬・吸入薬: アレルギー性鼻炎や喘息の炎症を抑えます。
- 抗アレルギー薬・気管支拡張薬: 喘息やアレルギーが原因の場合に使用します。
【対症療法と生活指導】
加湿器の使用、十分な水分補給、うがい、鼻うがいなど、症状を和らげるためのアドバイスを行います。喫煙習慣がある場合は、禁煙指導も行います。アレルゲンからの回避方法についてもご提案します。
▶受診の目安
- 鼻水や痰が1週間以上続く、または悪化している
- 鼻水や痰の色が黄色、緑色、または血が混じっている
- 発熱(38℃以上)がある
- 息苦しさや呼吸困難を感じる
- 胸の痛みや違和感がある
- ひどい頭痛や顔面痛を伴う
- ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音がする
- 倦怠感が強く、日常生活に支障が出ている
- 基礎疾患(心臓病、肺の病気、糖尿病など)をお持ちの方
※本ページの内容は、みらいとクリニックの医師が監修しています。