症状 / 下半身
下痢・便秘

▶下痢・便秘について
下痢や便秘は、誰もが一度は経験する、非常に身近なお腹の症状です。
下痢は、便が水分を多く含んで形が崩れ、回数が増えたり、急な便意を伴ったりする状態です。消化器の働きが活発になりすぎたり、水分吸収がうまくいかなかったりすることで起こります。
一方、便秘は、便の回数が減る、便が硬くて出しにくい、お腹が張って苦しいなど、スムーズな排便ができない状態です。生活習慣の乱れやストレス、水分不足などが原因となることが多いです。
これらの症状は、一時的なものから、ストレスや生活習慣の乱れ、または何らかの病気が隠れている場合まで、さまざまな原因で起こります。当クリニックでは、下痢や便秘の原因を正確に診断し、それぞれの症状に合わせた適切な治療を行います。お腹の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
▶下痢・便秘の原因
下痢や便秘の原因は多岐にわたり、一つだけでなく複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。
下痢の主な原因
感染症 |
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【ウイルス性胃腸炎】 ノロウイルス、ロタウイルスなどによる感染で、吐き気、嘔吐、発熱を伴うことが多いです。 |
【細菌性胃腸炎】 サルモネラ菌、カンピロバクターなどによる感染で、激しい腹痛や血便を伴うこともあります。 |
【食中毒】 傷んだ食品や不衛生な食品を食べた後に起こります。 |
【薬剤の副作用】 抗生物質、便秘薬の一部、胃薬などが原因となることがあります。 |
【過敏性腸症候群(IBS)】 ストレスなどが原因で、下痢と便秘を繰り返したり、腹痛を伴う下痢が続いたりします。 |
【炎症性腸疾患】 潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸に慢性的な炎症が起こる病気です。 |
【食物アレルギー・不耐症】 牛乳や小麦、特定の食品が原因で下痢を引き起こすことがあります。 |
【ストレス・自律神経の乱れ】 精神的な要因が腸の動きに影響を与え、下痢につながることがあります。 |
便秘の主な原因
生活習慣の乱れ |
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【食物繊維や水分の不足】 便の材料や柔らかさを保つ水分が不足すると、便が硬くなります。 |
【運動不足】 腹筋の力が弱いと、便を押し出す力が不足しがちです。 |
【不規則な排便習慣】 便意を我慢したり、毎日決まった時間にトイレに行かないと、排便リズムが崩れます。 |
【ストレス】 ストレスにより腸の動きが悪くなり、便秘になることがあります。 |
【薬剤の副作用】 向精神薬、一部の風邪薬、鉄剤などが便秘を引き起こすことがあります。 |
疾患 |
【不過敏性腸症候群(IBS)】 下痢型と便秘型があり、便秘が続くこともあります。 |
【大腸がん】 腸が狭くなることで便の通過が悪くなり、便秘や便が細くなるなどの症状が出ることがあります。 |
【甲状腺機能低下症】 代謝が低下することで腸の動きが鈍くなり、便秘につながることがあります。 |
【直腸瘤、骨盤臓器脱など】 女性に多く、直腸や骨盤底筋の構造的な問題で排便が困難になることがあります。 |
▶検査と治療
下痢や便秘の治療は、その原因と症状の程度に応じて異なります。
検査
症状や診察所見、問診の内容から、必要に応じて以下の検査を行います。
- 問診・身体診察: 症状の始まり、頻度、便の状態、食事内容、生活習慣、ストレスの有無などを詳しく伺い、お腹の状態を確認します。
- 便検査: 便中のウイルスや細菌、潜血(目に見えない血液)の有無などを調べます。
- 血液検査: 炎症の程度、脱水の有無、貧血、甲状腺機能などを調べます。
- 腹部X線検査(レントゲン): お腹の中に便やガスがどのくらい溜まっているかを確認します。
- 腹部超音波検査(エコー): 肝臓、胆嚢、膵臓、腸などに異常がないかを確認します。
治療
検査結果に基づき、患者さまの状態や原因疾患に合わせた治療を行います。
【薬物療法】
下痢の場合: 整腸剤、止痢剤(症状に応じて慎重に処方)、抗生物質(細菌感染の場合)など。
便秘の場合: 便を柔らかくする薬、腸の動きを促す薬、便秘の種類に合わせたさまざまな種類の便秘薬など。
【生活習慣の改善指導】
下痢の場合: 安静、十分な水分補給、消化に良い食事、刺激物の制限など。
便秘の場合: 食物繊維を多く含む食品の摂取、十分な水分補給、適度な運動、規則正しい排便習慣、ストレス管理など。
【食事指導】
管理栄養士と連携し、より専門的な食事のアドバイスを行うこともあります。
▶受診の目安
- 激しい下痢が止まらない、または意識が朦朧としている
- 水分が全く摂れない、尿の量が極端に少ないなど、脱水症状が疑われる
- 高熱(38℃以上)がある
- 激しい腹痛を伴う
- 血便や黒っぽいタールのような便が出る
- 海外渡航後など、特殊な感染症の可能性がある
※本ページの内容は、みらいとクリニックの医師が監修しています。