症状 / 下半身
デリケートゾーンの悩み

▶デリケートゾーンの悩みについて
デリケートゾーンの悩みは、かゆみ、痛み、できもの、臭い、違和感など、非常に多岐にわたります。これらの症状は、日常生活に大きな影響を与えるにもかかわらず、そのデリケートな性質上、一人で悩みを抱え込み、受診をためらってしまう方も少なくありません。
当クリニックでは、デリケートゾーンに関するお悩みに、性別を問わず、プライバシーに最大限配慮しながら、丁寧に向き合います。 患者さまが安心してご相談いただけるよう、分かりやすい説明と適切な治療を心がけておりますので、気になる症状があれば、どうぞお気軽にご来院ください。
▶デリケートゾーンの悩みの原因
デリケートゾーンの症状は、その種類によってさまざまな原因が考えられます。主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
感染症 |
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【細菌性腟症、カンジダ腟炎(女性)】 腟の常在菌のバランスが崩れたり、カビの一種が増殖したりすることで、かゆみ、おりものの変化、臭いなどが生じます。 |
【性器ヘルペス、性器コンジローマ、クラミジア感染症、淋病などの性感染症】 性行為を介して感染し、かゆみ、痛み、できもの、おりものの変化、排尿痛など、多様な症状を引き起こします。 |
【毛嚢炎(男女共通)】毛穴に細菌が入り込み、ニキビのような炎症や膿が生じます。カミソリでの処理などが原因となることもあります。 |
皮膚のトラブル |
【接触皮膚炎(かぶれ)】 下着の素材、生理用品、石鹸、洗剤などが刺激となり、かゆみや赤み、かぶれが生じます。 |
【湿疹】 アレルギーや乾燥など様々な要因で、かゆみや赤み、ブツブツなどが現れます。 |
ホルモンバランスの変化 |
【萎縮性腟炎(女性)】 閉経後など、女性ホルモンの減少により腟の潤いがなくなり、かゆみ、性交時の痛み、違和感などが生じます。 |
その他 |
【デリケートゾーンの臭い】 汗や蒸れ、おりものの変化、感染症などが原因で気になる臭いが生じることがあります。 |
【異物感やしこり】 粉瘤(ふんりゅう)や、まれに腫瘍(良性・悪性)の場合もあります。 |
【男性のデリケートゾーンの悩み】 亀頭包皮炎、陰嚢湿疹、陰部にできる吹き出物やかゆみなど。 |
▶検査と治療
デリケートゾーンの症状の治療は、その原因を正確に特定することから始まります。
検査
症状や診察所見から、必要に応じて以下の検査を行います。
- 問診・視診: 症状の現れ方、いつから始まったか、他の症状の有無などを詳しくお伺いし、患部の状態を直接確認します。
- 分泌物検査: おりものや分泌物を採取し、顕微鏡で菌やカビの種類を確認したり、培養検査を行ったりして、感染症の原因を特定します。
- 血液検査: 必要に応じて、特定の性感染症の有無などを調べるために行います。
- 尿検査: 排尿時に症状を伴う場合、尿路感染症の有無を確認します。
治療
検査結果に基づき、患者さまの状態や原因疾患に合わせた治療を行います。
【薬物療法】
- 抗真菌薬: カンジダなどの真菌感染症の場合に使用します(内服薬や塗り薬、腟剤など)。
- 抗生物質: 細菌感染症の場合に処方します。
- 抗ウイルス薬: ヘルペスなどのウイルス感染症の場合に処方します。
- ステロイド軟膏: 強いかゆみや炎症を抑えるために使用します。
- 抗ヒスタミン薬: かゆみが強い場合に内服薬を処方することもあります。
- ホルモン補充療法(女性): ホルモン減少が原因の場合に検討します。
【生活指導】
デリケートゾーンの適切な洗浄方法、通気性の良い下着の着用、乾燥対策、生理用品の選び方など、日常生活でできる症状改善・予防策についてアドバイスします。
【専門医療機関への紹介】
まれに、当院での対応が難しいと判断される場合や、より専門的な検査(皮膚生検など)や治療が必要な場合には、速やかに婦人科や皮膚科、泌尿器科などの専門医療機関へご紹介し、連携して治療を進めます。
▶受診の目安
- デリケートゾーンの強いかゆみや痛みが続く
- いつもと違うおりものが出ている(色や量、臭いの変化)
- デリケートゾーンにできもの、水ぶくれ、潰瘍がある
- 排尿時に痛みや違和感を伴う
- 性交時に痛みがある
- 市販薬を使っても症状が改善しない、または悪化している
- パートナーにデリケートゾーンの症状が出ている
- 気になる臭いがする
※本ページの内容は、みらいとクリニックの医師が監修しています。