症状 / 皮膚
いぼ・水虫

▶いぼ・水虫について
いぼと水虫は、どちらも皮膚のトラブルとして非常に身近な病気です。見た目の問題だけでなく、かゆみや痛み、感染の拡大といった不快な症状を伴うことがあります。
いぼは、皮膚の小さなできもので、ウイルス感染によって皮膚の細胞が増殖して盛り上がったものです。顔や手足など体のどこにでもでき、一つだけでなく増えることもあります。
一方、水虫は、カビの一種である白癬菌(はくせんきん)が皮膚に感染して起こる病気で、正式には「足白癬(あしはくせん)」といいます。足の指の間や足の裏にできやすく、かゆみや皮むけ、ジュクジュクとしたただれなどが主な症状です。
これらの病気は、自然に治ることもありますが、放置すると悪化したり、周囲の人にうつしてしまう可能性もあります。当クリニックでは、いぼや水虫の原因を正確に診断し、それぞれの症状に合わせた適切な治療を行っています。デリケートな症状でお悩みの方も、お気軽にご相談ください。
▶いぼ・水虫の原因
いぼと水虫は、それぞれ異なる原因で発症します。
いぼの主な原因
いぼは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が主な原因です。このウイルスは、皮膚の小さな傷などから侵入し、感染した皮膚の細胞を増殖させ、盛り上がった「いぼ」を形成します。
【接触感染】 ウイルス感染者の皮膚との直接的な接触や、タオル、スリッパなどを介して間接的に感染することがあります。 |
【免疫力の低下】 ストレスや疲労などで体の免疫力が低下していると、ウイルスに感染しやすくなったり、すでにできているいぼが悪化したりすることがあります。 |
【皮膚の小さな傷】 ひっかき傷やささくれ、乾燥によるひび割れなど、皮膚に小さな傷があるとウイルスが侵入しやすくなります。 |
水虫の主な原因
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が、皮膚の角質層に感染することで発症します。白癬菌は高温多湿な環境を好むため、特に汗をかきやすい足の指の間や足の裏、かかとなどに多く見られます。
【感染経路】 直接接触: 水虫の人の皮膚に直接触れることで感染します。 間接接触:公衆浴場の足ふきマット、プールの床、ジムのシャワールーム、家庭内のスリッパやバスマットなどを介して感染することが多いです。 |
【高温多湿な環境】 靴下や靴を長時間履きっぱなしにすること、通気性の悪い靴を履くことなどで、足が蒸れて高温多湿な状態が続くと、白癬菌が繁殖しやすくなります。 |
【足の洗い残しや乾燥不足】 足を洗った後、指の間までしっかり拭き取らないと、湿った状態が続き感染リスクが高まります。 |
【爪への感染】 長期間放置すると、爪にも感染が広がり、爪が厚く変色する「爪水虫」になることがあります。 |
▶検査と治療
いぼと水虫は、見た目が似ている他の皮膚病と区別することが重要です。正確な診断に基づいた治療が効果的です。
検査
症状や診察所見から、必要に応じて以下の検査を行います。
- 視診: 患部の状態を医師が直接目で確認します。
- ダーモスコピー検査: 拡大鏡を使って皮膚の状態を詳しく観察し、いぼやほくろ、その他の皮膚病との鑑別を行います。
- 顕微鏡検査(水虫の場合): 患部の皮膚を少し採取し、顕微鏡で白癬菌がいるかどうかを確認します。これは水虫の確定診断に非常に重要な検査です。
治療
検査結果に基づき、患者さまの状態や原因疾患に合わせた治療を行います。
【いぼの治療】
- 液体窒素療法(凍結療法): 液体窒素でいぼを凍らせて壊死させる治療法で、当クリニックでもよく行われます。数回繰り返し治療が必要な場合があります。
- 外用薬(塗り薬): 免疫力を高める作用や角質を溶かす作用のある塗り薬を使用します。
- 内服薬: いぼが広範囲に及ぶ場合や、通常の治療で効果が見られない場合に、免疫力を調整する内服薬を検討することもあります。
- 自宅でのケア: 再発予防のために、皮膚の乾燥を防ぎ、小さな傷を作らないよう注意します。
【水虫の治療】
- 外用薬(塗り薬): 抗真菌作用のある塗り薬を患部に塗ります。症状がなくなっても、しばらく塗り続けることが再発予防のために重要です。
- 内服薬: 爪水虫や、外用薬で改善しない重症の水虫の場合に、抗真菌薬の内服薬を処方します。内服薬は肝機能への影響などを考慮し、定期的な採血が必要になる場合があります。
【専門医療機関への紹介】
まれに、当院での対応が難しいと判断される場合や、より専門的な検査(皮膚生検など)や治療が必要な場合には、速やかに婦人科や皮膚科、泌尿器科などの専門医療機関へご紹介し、連携して治療を進めます。
【生活指導】
足を清潔に保ち、入浴後は指の間までしっかり乾燥させる、通気性の良い靴や靴下を選ぶ、家族にうつさないためにバスマットやスリッパを共有しない、こまめに洗濯・消毒する、公共施設では素足での行動を避けるなど気を付けるポイントをお伝えさせていただきます。
▶受診の目安
いぼの場合
- いぼの数が増えている、大きくなっている
- 痛みを伴ういぼがある
- 足の裏にできた、歩くと痛い
- 顔や首など目立つ場所にできた
- 市販薬を使っても改善しない
- いぼと区別がつきにくいできものがある
水虫の場合
- かゆみが強い、またはジュクジュクしている
- 皮むけや水ぶくれが広範囲に及んでいる
- 爪が厚く、変色している(爪水虫の可能性)
- 市販薬を使っても症状が改善しない
- 家族に水虫の人がいて、自分も感染した可能性がある
- 見た目が水虫かどうか判断できない
※本ページの内容は、みらいとクリニックの医師が監修しています。