症状 / 全身
花粉症

▶花粉症について
花粉症は、スギやヒノキ、ブタクサなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー疾患です。花粉が鼻や目の粘膜に触れることで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こします。日本人の約半数が花粉症に悩んでいるともいわれ、春先だけでなく、夏から秋にかけてもさまざまな花粉が飛散するため、年間を通して症状が出る方もいらっしゃいます。
花粉症はつらい症状ですが、適切な治療と対策で症状を和らげ、快適な日常生活を送ることが可能です。当クリニックでは、花粉症の症状でお悩みの方に、一人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提案しています。つらい症状を我慢せず、お気軽にご相談ください。
▶花粉症の原因
花粉症は、体の免疫システムが、本来無害なはずの花粉を「異物」と認識し、過剰に反応してしまうことで発症します。このアレルギー反応を引き起こす主な原因は、以下の通りです。
アレルゲン(花粉の種類) |
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【スギ花粉】 2月~4月に飛散し、日本で最も患者数が多い花粉です。 |
【ヒノキ花粉】 3月~5月に飛散し、スギ花粉と症状が似ていることが多いです。 |
【イネ科花粉】 カモガヤ、オオアワガエリなど。5月~10月頃に飛散します。 |
【キク科花粉】 ブタクサ、ヨモギなど。8月~10月頃に飛散します。 |
その他、シラカンバ(カバノキ)、カナムグラなど、地域によってさまざまな花粉が原因となります。 |
アレルギー体質 |
花粉症は遺伝的な要因も関係しており、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー体質)の方に多く見られます。 |
花粉の飛散量 |
その年の花粉の飛散量が多いと、症状が強く出やすくなります。 |
生活環境 |
排気ガスやPM2.5などの大気汚染物質は、花粉症の症状を悪化させる要因になると言われています。また、ストレスや不規則な生活も、免疫バランスを崩し、症状が出やすくなる原因となることがあります。 |
▶検査と治療
花粉症の治療は、症状を和らげる「対症療法」と、根本的な体質改善を目指す「根治療法」に分けられます。当クリニックでは、患者さまの症状の程度やライフスタイルに合わせて、最適な治療法をご提案します。
検査
症状や診察所見から、必要に応じて以下の検査を行います。
- アレルギー検査(血液検査):どの花粉が原因となっているかを特定するために、血液検査で特定のアレルギー抗体(IgE抗体)を調べます。これにより、スギ、ヒノキ、ブタクサなど、複数の花粉に対するアレルギーの有無や程度が分かります。
- 鼻鏡検査:鼻の粘膜の状態を直接確認し、アレルギー性鼻炎の特徴的な所見(粘膜の腫れや色など)がないかを確認します。
治療
検査結果に基づき、患者さまの状態や原因疾患に合わせた治療を行います。
【薬物療法】
- 抗ヒスタミン薬: くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を抑える内服薬です。眠気が出にくいタイプもあります。
- 点鼻薬: 鼻づまりや鼻水に直接作用するステロイド点鼻薬や血管収縮剤などがあります。
- 点眼薬: 目のかゆみや充血を抑えるための点眼薬です。
- ロイコトリエン受容体拮抗薬: 鼻づまりの改善に特に効果が期待できます。
- 内服ステロイド薬: 症状が非常に強い場合に、短期間使用することがあります。
【初期療法】
花粉が飛び始める前から薬を服用することで、症状の出現を抑えたり、症状を軽くしたりすることができます。シーズン初期からの治療が重要です。
【アレルゲン免疫療法(減感作療法)】
少量のアレルゲン(花粉エキス)を体内に取り込むことで、体をアレルゲンに慣れさせ、症状を根本的に改善していく治療法です。舌の下に薬を置く「舌下免疫療法」が一般的です。治療期間は長くなりますが、花粉症の完治や症状の軽減が期待できます。当クリニックでもご相談に応じて対応可能です。
【対症療法と生活上のアドバイス】
花粉情報のチェックと外出時のマスク、眼鏡の着用、帰宅時の手洗い、うがい、服についた花粉を払う、洗濯物の外干しを避ける、空気清浄機の利用、規則正しい生活と十分な睡眠で免疫力を維持するなど、生活で気を付けるポイントをお伝えさせていただきます。
▶受診の目安
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が続く、または悪化している
- 市販薬を使っても症状が改善しない
- 毎年花粉症の症状で悩んでいる
- 花粉症の症状が日常生活(仕事、勉強、睡眠など)に支障をきたしている
- どの花粉にアレルギーがあるか知りたい
- 根本的な治療(アレルゲン免疫療法)を検討したい
- 花粉症の時期になると、咳や息苦しさを感じる(喘息の合併も考えられます)
※本ページの内容は、みらいとクリニックの医師が監修しています。