症状 / 全身
アレルギー相談

▶アレルギー相談について
アレルギーは、私たちの体の免疫システムが、通常は無害な物質(アレルゲン)に対して過剰に反応してしまうことで起こる病気です。花粉、ハウスダスト、食物、薬剤、動物の毛など、さまざまなものがアレルゲンとなり、くしゃみ、鼻水、目のかゆみといった花粉症のような症状から、皮膚のかゆみや湿疹、咳、息苦しさ、さらには消化器症状まで、全身のどこにでも症状が現れる可能性があります。
「もしかしてアレルギーかな?」「長年悩んでいるけれど、原因が分からない」といったお悩みはありませんか? 当クリニックでは、アレルギー症状でお困りの方や、アレルギーの原因を知りたい方のご相談を幅広くお受けしています。 患者さま一人ひとりの症状と生活状況を丁寧に伺い、適切な検査と治療を通じて、症状の改善と快適な日常生活のサポートを目指します。
▶アレルギーの原因
アレルギー反応を引き起こす物質を「アレルゲン」と呼びます。アレルゲンは人によって異なり、その種類は非常に多岐にわたります。主なアレルゲンと、それらが引き起こす症状の例は以下の通りです。
吸入性アレルゲン(空気中に浮遊しているもの) |
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【花粉】 スギ、ヒノキ、イネ科(カモガヤ、オオアワガエリなど)、キク科(ブタクサ、ヨモギなど)。 症状: くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ・充血、のどのかゆみ、咳など(花粉症)。 |
【ハウスダスト、ダニ】 家の中の埃に含まれるダニの死骸やフンなど。症状: 通年性の鼻炎、目の症状、喘息(咳、息苦しさ、ゼーゼー)、皮膚のかゆみなど。 |
【カビ】 浴室やエアコンなどに発生するカビ。症状: 鼻炎、喘息、皮膚症状など。 |
【ペット(犬、猫など)のフケや毛】 症状: 鼻炎、喘息、じんましんなどの皮膚症状。 |
食物アレルゲン(食べ物) |
卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツ、甲殻類(エビ、カニ)、果物など。症状: 皮膚のかゆみ、じんましん、湿疹、嘔吐、下痢、腹痛、口の中の違和感、呼吸困難など。重症の場合はアナフィラキシーショック(全身の強いアレルギー反応)を起こすこともあります。 |
接触性アレルゲン(皮膚に触れるもの) |
金属(ニッケル、クロムなど)、化粧品、石鹸、洗剤、ゴム、植物(ウルシなど)。症状: 接触皮膚炎(かぶれ)として、触れた部分の皮膚に赤み、かゆみ、水ぶくれなどが現れます。 |
薬剤アレルゲン(薬) |
抗生物質、解熱鎮痛剤、造影剤など。 症状: じんましん、発疹、発熱、呼吸困難など。服用後すぐに症状が出ることが多いですが、時間差で現れることもあります。 |
昆虫アレルゲン |
ハチ毒など。 症状: ハチに刺された後に、全身のじんましん、呼吸困難、意識障害など(アナフィラキシーショック)。 |
その他 |
【寒冷、温熱、日光などの物理的刺激】 じんましんなどを引き起こすことがあります。 |
【ストレス、疲労】 アレルギー症状を悪化させる要因となることがあります。 |
▶検査と治療
アレルギーの治療は、まず何がアレルゲンとなっているのかを特定し、それらをできる限り避ける「原因除去」と、症状を和らげる「対症療法」、そして体質改善を目指す「根治療法」を組み合わせて行われます。
検査
正確な診断のために、症状や問診の内容から、必要に応じて以下の検査を行います。
- 血液検査(特異的IgE抗体検査):特定の食物や花粉、ハウスダスト、ダニ、動物のフケなどに対するアレルギー反応を示すIgE抗体の有無や量を調べます。これにより、主要なアレルゲンを特定することができます。
- 皮膚テスト(プリックテスト、パッチテストなど):ごく少量のアレルゲンエキスを皮膚に垂らしたり、貼り付けたりして、皮膚の反応を見る検査です。特定の食物アレルギーや接触性皮膚炎の原因特定に役立ちます。
- 呼吸機能検査:喘息が疑われる場合、肺の機能を詳しく調べ、気道の過敏性や空気の通り道の狭まりがないかを確認します。
治療
検査結果に基づき、患者さまの症状やライフスタイルに合わせた治療を行います。
【薬物療法(対症療法)】
- 抗ヒスタミン薬: くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、皮膚のかゆみ、じんましんなど、多くのアレルギー症状に用いられます。眠気が出にくいタイプもあります。
- ステロイド薬: 炎症を強力に抑えるために使用します(点鼻薬、点眼薬、吸入薬、塗り薬、内服薬など)。
- 気管支拡張薬: 喘息による咳や息苦しさを和らげます(吸入薬、内服薬など)。
- その他: 症状に応じて、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗アレルギー点眼薬、保湿剤などを処方します。
【アレルゲン免疫療法(根治療法)】
少量のアレルゲンを継続的に体内に取り込むことで、体をアレルゲンに慣れさせ、体質改善を目指す治療法です。舌の下に薬を置く「舌下免疫療法」が一般的です。花粉症やダニアレルギーに有効で、長期間の治療が必要ですが、症状の根本的な改善や軽減が期待できます。
【原因除去・環境整備のアドバイス】
アレルゲンをできるだけ避けるための具体的な方法(例えば、ハウスダスト・ダニ対策、花粉対策、食事制限など)を分かりやすくお伝えし、日常生活で実践できるようサポートします。
【専門医療機関への紹介】
アナフィラキシーショックのリスクが高い場合や、当クリニックでの対応が難しいと判断される重症例、より専門的な検査や治療が必要な場合には、速やかにアレルギー専門医や基幹病院などへご紹介し、連携して治療を進めます。
▶受診の目安
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどが慢性的に続く、または特定の時期に毎年現れる
- 市販薬を使っても症状が改善しない、または悪化している
- 咳や息苦しさ、ゼーゼーといった呼吸の症状がある
- 特定の食べ物を食べた後に、体調が悪くなる、じんましんが出る、口の中が痒くなるなどの症状がある
- 特定の物質に触れると皮膚がかぶれる
- 原因不明な体調不良が続いている
- アレルギーの原因を知りたい、根本的な治療(免疫療法)を検討したい
- アナフィラキシー(全身の強いアレルギー反応)を起こしたことがある
※本ページの内容は、みらいとクリニックの医師が監修しています。