症状 / 全身

倦怠感

▶倦怠感について

「体がだるい」「疲れているのに休んでもなかなか良くならない」「何をするにもおっくうだ」と感じることはありませんか? こうした症状は倦怠感(けんたいかん)と呼ばれ、誰もが一度は経験する、非常に身近な不調です。一時的な疲れであれば、十分な休息で回復しますが、倦怠感が長く続いたり、他の症状を伴ったりする場合は、体からの大切なサインかもしれません。

倦怠感は、睡眠不足やストレス、過労といった日常的な原因だけでなく、貧血、甲状腺の病気、糖尿病、感染症、さらには心臓や腎臓の病気など、さまざまな病気が隠れている可能性もあります。当クリニックでは、長引く倦怠感でお悩みの方に、その原因を多角的に調べ、一人ひとりの状態に合わせた適切な診断と治療を行っています。つらい倦怠感を我慢せず、お気軽にご相談ください。

▶倦怠感の原因

倦怠感の原因は非常に多岐にわたり、一つだけでなく複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。

日常的な原因
【過労・睡眠不足】
最も一般的な原因です。体の回復が追いつかず、疲労が蓄積します。
【ストレス・精神的要因】
ストレス、不安、うつ病などが原因で、心身のエネルギーが消耗し、倦怠感を感じやすくなります。
【運動不足】
筋肉の活動量が少ないと、かえって体が重く感じられることがあります。
【栄養不足・偏り】
バランスの悪い食事や、特定のビタミン・ミネラル不足が倦怠感につながることがあります。
【脱水】
体内の水分不足も、だるさの原因となります。
【季節の変わり目・気候の変化】
体が環境に適応しようとすることで、疲れを感じやすくなることがあります。
病気が原因となるもの
【感染症】
風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの急性感染症のほか、感染後に倦怠感が長引くこともあります。
【貧血】
血液中の赤血球やヘモグロビンが不足し、全身への酸素供給が滞ることで、倦怠感、息切れ、めまいなどを引き起こします。
【甲状腺機能低下症】 甲状腺ホルモンの分泌が不足すると、全身の代謝が低下し、倦怠感、むくみ、体重増加などが現れます。
【甲状腺機能亢進症】 ホルモンが過剰に分泌されることで、動悸、多汗、体重減少とともに、倦怠感を感じることもあります。
【糖尿病】
血糖値が高い状態が続くことで、倦怠感、喉の渇き、頻尿などの症状が出ることがあります。
【肝臓病・腎臓病】
肝臓や腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物が十分に排出されず、倦怠感が生じることがあります。
【心臓の病気】 心不全など、心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液が送れず、倦怠感や息切れが現れます。
【睡眠時無呼吸症候群】 睡眠中に何度も呼吸が止まることで、十分な休息が取れず、日中の強い倦怠感につながります。
【筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)】
身体的な疲労や精神的な疲労とは異なる、原因不明の強い疲労感が6ヶ月以上続く病気で、日常生活を送るのが困難になります。
【がん】
進行したがんでは、倦怠感が重要な症状の一つとなることがあります。
【自己免疫疾患】
関節リウマチや膠原病など、免疫の異常で全身に炎症が起こり、倦怠感を伴うことがあります。

▶検査と治療

倦怠感の原因を特定するためには、詳細な問診と、必要に応じた検査が不可欠です。

検査
症状や診察所見から、必要に応じて以下の検査を行います。

  • 問診・身体診察: 倦怠感がいつから、どの程度続いているか、他にどんな症状があるか、生活習慣、ストレスの状況、既往歴などを詳しくお伺いし、体の状態を確認します。
  • 血液検査: 貧血の有無、肝機能、腎機能、血糖値、甲状腺ホルモンの値、炎症反応、各種感染症の有無などを調べます。
  • 尿検査: 腎臓の機能や、糖尿病の有無などを確認します。
  • 胸部X線検査(レントゲン): 肺や心臓の異常がないかを確認します。
  • 心電図検査: 心臓の機能に問題がないかを確認します。
  • 睡眠検査: 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合に、ご自宅で簡易的な検査を行うことがあります。

治療
検査結果に基づき、倦怠感の原因と患者さまの状態に合わせた治療を行います。

【原因疾患の治療】
貧血、甲状腺の病気、糖尿病、感染症など、倦怠感の原因となっている病気が特定された場合は、その病気に対する専門的な治療を行います。

【生活習慣の改善指導】
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理、禁煙、節酒など、倦怠感を軽減するための具体的なアドバイスを行います。

【薬物療法】
症状に応じて、ビタミン剤、漢方薬、精神的な要因が強い場合は抗うつ薬や抗不安薬などを検討することがあります。

【休養・安静】
疲労が蓄積している場合は、十分な休養を取るように指導します。

【専門医療機関への紹介】
当クリニックでの対応が難しいと判断される、あるいはより専門的な治療が必要な病気(心臓病、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)、がんなど)が疑われる場合は、速やかに専門医療機関へご紹介し、連携して治療を進めます。

▶受診の目安

  • 倦怠感が2週間以上続く、または徐々に悪化している
  • 十分な休息をとっても改善しない
  • 倦怠感とともに、発熱、体重減少、食欲不振、寝汗などの症状がある
  • 動悸、息切れ、胸の痛み、むくみなどを伴う
  • ひどい喉の渇き、頻尿などを伴う
  • 体がだるすぎて、日常生活(仕事、学業など)に支障が出ている
  • 精神的な不調(気分が落ち込む、意欲がわかないなど)を伴う
  • ご自身で基礎疾患(糖尿病、心臓病、腎臓病、甲状腺疾患など)をお持ちの方

※本ページの内容は、みらいとクリニックの医師が監修しています。

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